オクトーバーフェストビア

Oktoberfestbier

ミュンヘンのオクトーバーフェストで飲めるビールはオクトーバーフェストビアと呼ばれ、オクトーバーフェストのためだけに特別に醸造されたビールです。オクトーバーフェストビアは誰でも醸造して良いわけではなく、ミュンヘンの伝統的な6大ブリュワリーのみ醸造が許されている守られた銘柄(ブランド)です。

ミュンヘンの6大ブリュワリー

  • marke-augustiner
  • marke-loewenbrau
  • marke-paulaner

1990年1月17日、ミュンヘン裁判所(Landgericht München)によってオクトーバーフェストで提供されるビールは、伝統的なミュンヘンのブリュワリーにのみ提供できることが定められました。オクトーバーフェストはミュンヘン市の市民祭り(Volksfest)なので、ミュンヘンの伝統や風習を重んじ、継続することができる、ふさわしいブリュワリーのみに限られたのです。

伝統的なミュンヘンのブリュワリーとは、ミュンヘン市を発祥とし今でも製造拠点をミュンヘンに持っていること、オクトーバーフェストのパレードへ参加することなどのミュンヘンの風習を継続することができ、これまでのオクトーバーフェストの発展に貢献し一緒に歴史を作ってきたことなどが挙げられます。

これらの条件に当てはまるのが、6大ブリュワリーのアウグスティーナー(Augustiner)、ハッカー・プショール(Hacker-Pschorr)、ホフブロイ(Staatlicher Hofbrauerei)、レーベンブロイ(Löwenbräu)、パウラーナー(Paulaner)、シュパーテン・フランツィスカーナー(Spaten-Franziskaner)です。

6大ブリュワリー

  • Augustiner

  • Hacker-Pschorr

  • Staatlicher Hofbrauerei

  • Löwenbräu

  • Paulaner

  • Spaten-Franziskaner

オクトーバーフェストビアの原料

オクトーバーフェストビアは他のミュンヘンビールと同様に、1487年のミュンヘンビール純粋令(*)を遵守して醸造されています。「大麦、ホップ、水」の自然の原料を使った古来からのレシピを厳格に守ることに加えて、最低でも13.5%の麦汁を含むものと決められています。また、醸造に必要な水は、ブリュワリーが所有する第三紀層の深井戸から汲まれた水が使用されています。

昔のオクトーバーフェストでは、アルコール度数の高いメルツェンビール(3月に醸造されたアルコール度の高い黒ビール)が出されていました。当時は9月29日〜4月23日の期間しかビールの醸造が許可されていなかったため、この期間で醸造されたビールを10月のオクトーバーフェストで提供するには、アルコール度数を高くし長期間保存できるようにする必要があったからです。

現在のオクトーバーフェストビアも、通常のビールよりもアルコール度数が少し高めの6%前後です。色は黄金色、銅褐色、暗い黄色などブリュワリーによって少しずつ異なり、また味も口当たりのよくマイルドな味わいのビールからアロマの香りが高いもの、ビターで強いものなど様々です。ぜひ、お好みの味のオクトーバーフェストビアを見つけてみてくださいね。

  • (*)ミュンヘンビール純粋令
  • 1487年11月30日に公爵のアルブレヒト4世によってミュンヘンの醸造業者へ制定されたミュンヘンビールの規格。当時、ビール醸造業者を監督していたミュンヘン市町村議会が1446年に「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とする」という命令を下し、これを受けたものです。後にバイエルン全体まで広げられ、1516年にヴィルヘルム4世公爵によってバイエルンのビール純粋令が公布されました。

一つのテントで一つの銘柄

オクトーバーフェストでは、ビアガーデンを含むテントの敷地内でのみオクトーバーフェストを飲むことができます。会場内の通りに立ち並ぶフードスタンド/ドリンクスタンド/バーではソフトドリンクやカクテルなどを買うことはできますが、ビールは扱っていません。

オクトーバーフェストビアは全て1Lのマスグラス(Maß)で提供されます。AugustinerテントやOide Wiesnのテントなど、会場内のいくつかのテントでは木の樽から直接グラスに注がれたオクトーバーフェストビアを飲むことができます。ステンレス製の樽のビールと比べて、木樽のビールは炭酸が少なく口当たりがマイルドで美味しいと、とても人気があります。

各テントは6大ブリュワリーの内の1つのブリュワリーと提携しています。そのため、テント内で異なる銘柄のオクトーバーフェストビアを飲み比べすることはできません。もし飲み比べしたい場合は複数のテントをハシゴしないといけません。

もしオクトーバーフェストビアを飲み比べしたい場合は、市販されているオクトーバーフェストビアがオススメです。通常のビールと同様に500mlのビール瓶の大きさで、7月の中旬頃から市内のスーパーマーケットやリカーショップなどで販売が始まります。オクトーバーフェストが終わっても、在庫があれば購入することができます。

ブリュワリーとテント

Augustiner アルコール度数
6%
Fischer-Vroni
Augustiner-Festhalle (*1)
Festzelt Tradition (*2)
Hacker-Pschorr 5.8% Hacker-Festzelt (*1)
Pschorr-Bräurosl (*1)

Herzkasperl-Festzelt (*2)
Hofbräu 6.3% Hofbräu Festzelt (*1)
Zur Schönheitskönigin (*2)
Löwenbräu 6.1% Schützen-Festzelt
Löwenbräu-Festhalle (*1)
Paulaner 6% Armbrustschützenzelt
Winzerer Fähndl (*1)
Käfer Wies’n Schänke(ヴァイスビアあり)
Weinzelt(ヴァイスビアのみ)
Spaten-Franziskaner 5.9% Marstall(ヴァイスビアあり)
Ochsenbraterei(Spatenbräu-Festhalle) (*1)
Schottenhamel
  • *1 ブリュワリーのテント
  • *2 Oide Wiesnのテント

その他のビール飲料

テントによって置いてあったりなかったりしますが、オクトーバーフェストビア以外のビール飲料もあります。アルコールにあまり強くない人など、ちょっぴりビールの味を楽しみたい、はたまたオクトーバーフェストビアに飽きてしまった場合などにオススメです。

ラドラー(Radler)

ビールとレモネードを1:1で割った飲み物です。アルコール度数が低く、ビールの苦味がマイルドになるので、ビールをあまりたくさん飲めない方や女性に人気があります。Hacker-Pschorrのテント(HackerfestzeltとPschorr Bräurosl)ではラドラーとしては提供されないため、ビールとレモネード(500ml)を注文して自分で割って飲みます。

ヴァイスビア(Weißbier/Weizen)

小麦を原料に加えたヴァイスビア(白ビール)もオクトーバーフェストで飲むことができます。500mlまたは1LのMaßのヴァイスビアに加えて、Marstallではヴァイスビアのラドラーも提供しています。もちろんヴァイスビアの銘柄は、ヴァイスビアで有名なミュンヘンのブリュワリーであるフランツィスカーナー(Spaten-Franziskaner)とパウラーナー(Paulaner)です。

アルコールフリー・オクトーバーフェストビア

邪道と言われることも多いアルコールフリービール、近年はオクトーバーフェストでもアルコールフリーのオクトーバーフェストビアが出されるようになりました。技術的に限界の0.5%までアルコールを取り除いてありますが、オクトーバーフェストビアと比較しても味が劣ることはありません。車で来ている人や、健康に気を使っている人など、アルコールフリー・オクトーバーフェストビアでオクトーバーフェストを楽しみましょう。

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