【2020年完全版】ミュンヘン交通ガイド

Öffentliche Verkehrsmitteln

ミュンヘンでよく利用する公共交通機関は、ミュンヘン交通連合MVV(*)が運行する地下鉄Uバーン、バス、路面電車(トラム)とドイチェバーン(DB)が運行するSバーン(電車)の4種類です。

少し遠出してバイエルン州内の観光地に行く場合は、DBが運行する地域列車RBやREを利用します。他の州や隣国などの遠地へ移動する場合は、地域列車同様にDBが運行する高速列車のICE/IC/IEや乗り入れしている他国の高速列車を利用することもあります。

ミュンヘンの公共交通システムは、2019年12月15日にこれまでの4ゾーン16リング制から7ゾーン制に新しく刷新されました。ここでは、ミュンヘン市内の路線図の見方や観光でよく利用する乗車券の種類などについて解説します。

  • (*)市内中心地はMVV配下のMVGが運行しています
  • MVV: Münchner Verkehrs- und Tarifverbund, ミュンヘンの交通網の管理運営、運行
  • MVG: Münchner Verkehrsgesellschaft GmbH, ミュンヘン市内中心地の車両の運行

路線表の見方:M+1〜6ゾーン制

新しいミュンヘンの交通システムは、ミュンヘン市内中心地のゾーンMと近郊ゾーン1〜6の7つのゾーンに分けられます。各ゾーンはMから6まで順に、白(M)、黄(1)、赤(2)、青(3)、緑(4)、オレンジ(5)、紫(6)に色分けされています。乗車券を買う場合は、1日の間でどのゾーンを移動するかを事前に把握して購入すると良いでしょう。

主に利用する駅
  • ミュンヘン国際空港(MUC):ゾーン5(オレンジ)
  • 中央駅/旧市街などの市内中心地:ゾーンM(白)
路線図のダウンロード

MVG Netz- und Tarifplan (pdf)

乗車券の種類:片道乗車券と1日乗車券

乗車券には片道乗車券と一日乗車券があります。5歳以下の子供は無料、6〜14歳の子供は子供料金、15歳以上は大人料金です。

利用できる車両

乗車券の有効移動区間内の車両全てに同じ乗車券で乗車できます。つまり、地下鉄、バス、トラム、Sバーンなどの車両ごとに乗車券を買い換える必要はありません。

・Sバーン、地下鉄Uバーン、バス、トラム、地域列車(RE/RB)、私鉄(alex/Meridian/BOB/BRB)(*)

  • (*)私鉄(alex/Meridian/BOB/BRB)
  • ドイツ全土でDBの路線を補完するように各地域で私鉄が走っています。ミュンヘン近郊を走っている私鉄はalexとMeridian/BOB/BRBの4路線、乗車券はミュンヘンの交通網内はミュンヘン交通の料金体系、ミュンヘン交通網外の場合はDBから乗車券を購入できます。
  • alex: ミュンヘンを中心に南はLindau Hbf(リンダウ)、北はRegensburg(レーゲンスブルク)を通ってチェコのPraha hl.n(プラハ)まで走ります。
  • Meridian/BOB/BRB: ミュンヘン中央駅から南東にオーストリアのSalzburg Hbf(ザルツブルク)はMeridian、南に向かって走るのはBOB、南西のFüssen(フュッセン)やAugsburg Hbf(アウクスブルク)から北にIngolstadt Hbf(インゴルシュタット)などへ複数走るBRBがあります。

料金表

※2019年12月15日 現在の料金、例年12月に料金改定があります。詳細は 料金表 pdf (MVG 独/英)

ゾーンMを含む M
(市内観光)
  M-1 M-2 M-3 M-4 M-5
(空港〜市内)
M-6
M以外のゾーン移動 同一ゾーン
1-1
2-2
3-3
4-4
5-5
6-6
2ゾーン間
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
3ゾーン間
1-3
2-4
3-5
4-6
4ゾーン間
1-4
2-5
3-6
5ゾーン間
1-5
2-6
6ゾーン間
1-6
   
片道乗車券 €3,30- €3,30- €5,00- €6,60- €8,30- €9,90- €11,50- €12,90-
有効時間 2時間 3時間
一日乗車券
Single
€7,80- €7,80- €8,90- €9,50- €10,60- €11,80- €13,00- €14,00-
Gruppe €14,80- €14,80- €16,10- €16,90- €19,60- €21,90- €24,30- €25,90-
有効時間 翌日朝6時まで

乗車券を利用するときの注意点

一日乗車券(独Tageskarte/英day ticket)

グループ一日乗車券は最大5名まで同じ乗車券で同乗することができます。子供(6〜14歳)は2人で大人1名とカウントします。

片道乗車券(独Einzelfahrkarte/英single trip ticket)の注意点

片道乗車券は乗車券の有効ゾーン以内かつ有効期限以内であれば、目的地までずっと公共交通機関に乗車せずに途中下車して観光したりお買い物したりすることもできます。

その他の乗車券

Airport-City-Day-Ticket Single/Group

一日乗車券のM-5区間と同じものです。ミュンヘン国際空港を利用する人向けにわかりやすく別メニューになっています。

CityTourCard Single/Group

ゾーンMまたはミュンヘン全域(M-6)のどちらの区間で、24時間/48時間/3日間/4日間/5日間/6日間の範囲で自由に利用できる乗車券です。博物館やガイドツアー、映画館、レストランやショップ類で利用できる各種割引券がついています。

City Tour Card – München

München Card Single/Group

ゾーンMまたはミュンヘン全域(M-6)のどちらの区間で、1日/2日間/3日間/4日間/5日間/6日間の範囲で自由に利用できる乗車券です。博物館やガイドツアー、映画館、レストランやショップ類で利用できる各種割引券がついています。

München Card & München City Pass

バイエルンチケット Bayern Ticket

DBが提供しているバイエルン州内および隣接する一部の他州/他国の範囲内の公共交通機関が乗り放題の一日乗車券です。遠地に日帰りする時にお得な乗車券です。

詳細は下記の「遠地へ行く場合(ノイシュバンシュタイン城など)」を参照。

ジャーマンレイルパス German Rail Pass

DBが旅行者用に発行している、DBの運行する列車(高速列車、地域列車、Sバーン)に乗り放題の乗車券です。高速列車(ICE/IC/EC)によく乗る予定がある人はコスパが良いのでオススメ。バイエルン州内だけを観光する場合は、上記のバイエルンチケットの方がオススメです。

DB German Rail Pass(英)
Rail Europe ジャーマンレイルパス(日本語)

観光でよく利用する乗車券

  • S
  • U
  • R
  • Tram
  • X
  • DB

観光するなら、一日乗車券が断然お得&安心!バス停やトラムの停留所は券売機がないところが多く、乗車の度に車内で購入するのはとっても面倒です。古い券売機は硬貨しか受け付けないなんてことも。

空港〜市内へ移動する場合

一日乗車券の「M-5」または「Airport-City-Day-Ticket」が便利です。もし2名以下の場合で、ホテルチェックイン後に外出する予定がなければ、片道乗車券のM-5の方が若干ですが安くなりますが、〜1.5ユーロしか違いがありませんので、一日乗車券を買った方が予定の変更があった場合などに買い直さずに済むので、ここは安全をとって一日乗車券の購入をオススメします。

市内観光

中央駅、旧市街、ピナコティーク、ドイツ博物館、ニュンフェンブルク城、オリンピアパーク、BMW博物館などミュンヘンの主な観光名所は全てゾーンMの中にあります。そのため、ミュンヘン市内を1日観光する場合は、一日乗車券の「ゾーンM」が便利です。

ゾーンM以外のミュンヘン近郊観光名所

下記の名所はゾーンM外にあるため、目的地までの区間の乗車券が必要です。

・シュライスハイム城およびドイツ博物館別館 航空博物館(ゾーン1または2)
・ダッハウ強制収容所跡(ゾーン1または2)
・ヴァイエンシュテファン醸造所(ゾーン4または5)

など

利用する駅に2つのゾーンの表記がある場合は、どちらか近い方を目的地のゾーンとして選択できます。
例えば、ダッハウ強制収容所跡はゾーン1と2の両方の表記があります。中央駅(ゾーンM)から行く場合は、ゾーンMから近い方のゾーン1までの区間を選択できます。

遠地へ行く場合(ノイシュバンシュタイン城など)

遠地(ミュンヘン交通連合MVVの管轄外へ移動)する時は、DBの乗車券を利用します。乗車券は大きく分けて「乗車区間指定の乗車券(片道乗車券)」または「地域別割引乗車券(バイエルンチケットなど)」の2種類があります。

バイエルン州内を日帰りする場合:バイエルンチケット

例えば、下記の観光名所へ日帰りする場合はバイエルンチケットが便利です。

・ノイシュバンシュタイン城
・ヴィース教会
・リンダーホフ城
・ヘレンキームゼー城
・ツークシュピッツェ
・バイエルン州内の都市(アウクスブルク、ローテンブルク、ニュルンベルク、レーゲンスブルクなど)
・ザルツブルク(ザルツブルク内のバスやトラムなどは別途乗車券が必要)

バイエルンチケット料金

バイエルンチケットは最大5名まで同乗できる一日乗車券で、高速列車(ICE/IC/IE)を除くバイエルン州内の公共交通機関を自由に利用できます。
例えば、ノイシュバンシュタイン城に行く場合、ミュンヘン中央駅からフュッセン駅までの地域列車(RB/REなど)だけでなく、フュッセン駅から城下最寄りのバス停シュバンガウまでのバスもバイエルンチケットで乗車できます。
また、他州や他国の一部区間までバイエルンチケットが有効なため、ミュンヘンから2時間でいけるオーストリアのザルツブルクもバイエルンチケットで行くことができます。ただし、他州/他国の都市内の交通はバイエルンチケットは利用できないので、現地のバスやトラム、地下鉄に乗る場合は別途乗車券を購入する必要があります。

・料金表(2.Class)
初めの一人は26ユーロ、追加人数毎に8ユーロかかります。

※2019年12月15日 現在の料金、例年12月に料金改定があります。詳細は Bayern-ticket 料金表 (Deutsche Bahn 英語)

1名 2名 3名 4名 5名
€26,00- €34,00- €42,00- €50,00- €58,00-
バイエルンチケットの注意点

バイエルンチケットは、平日は午前9:00から、土日祝は午前0:00から利用できます。有効時間は翌朝3:00までです。
そのため、平日にノイシュバンシュタイン城などの比較的アクセスの悪い場所に行く場合は、9:00以降に出かけるか、朝早く出かけたい時はミュンヘン交通連合の片道乗車券などを併用するなどの工夫が必要です。

他都市へ移動する場合:区間指定の片道乗車券

バイエルン州外の他都市へ移動する場合や、アウクスブルクやニュルンベルクなどの高速列車(ICE/IC/IE)の止まる都市へコストよりも時間を取りたい場合は、区間指定で片道乗車券を利用します。

乗車券の購入

乗車券は、乗車駅から降車駅までのDB管轄の駅(高速列車/地域列車/Sバーンの駅)まで指定して購入します。地下鉄やバスなどの地域交通連合の駅で乗車/降車する場合は、地域交通連合の乗車券が必要です。

乗車券を購入する際は、車両クラス(1.Class、2.Class)を選択します。地域列車(RE/RB)はほぼ2.Classのみで、1.Classのない車両もあります。

オンラインで購入する時は、DBの乗り換え検索から予約できます。
Deutsche Bahn 乗り換え検索(英語)

指定席券について

日本の新幹線と異なり、指定席車両や自由席車両に分かれているのではなく、全席予約することができます。また、座席を予約しなくても空いている席(その区間は予約されていない席)は座ることができます。

利用する車両や区間によって、座席の予約ができる場合とできない場合があり、高速列車はほとんど座席の予約ができますが、地域列車(RE/RB)は予約できない車両がほとんどです。

もし、ミュンヘン-ニュルンベルクなどの区間や金〜週末などは混雑するので、高速列車に乗る場合はできるだけ指定席券も合わせて購入した方が、安心して座ることができます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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